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あわぶくの如き日常。
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本屋にて、「官能小説「絶頂」表現用語用例辞典」という書籍を見掛けた。
タイトルを見た瞬間、足を止め、暫し固まる。猛烈に欲しいと思ってしまった。が、まずは理性と財布相手に交渉である。

「本当に欲しいか? 本当に必要か? 金欠に喘ぐような身で、こんな毒にも薬にもならんような雑学本を買ってしまって、本当に後悔しないのか?」

逡巡すること約十分。
結局購入することなく、本屋を後にした。

官能小説というものを実は読んだことがない。一つのジャンルとして何となく興味はあるが、どうも食指が動かない。エロスを中心に回る御都合主義世界の物語、という偏った認識が私の中に巣食っているせいかもしれない。日経で愛の流刑地が連載されていたとき物のついでで読んでみたが、やはり荒唐無稽に感じられて、どちらかと言えば「さあ、今日はどんな面白い展開になるんだい」と失礼な楽しみ方しかできなかった(そもそもあれは官能小説ではなかろう、ということはひとまず置いておく)。

それでもそんな雑学本に興味を引かれてしまうのは、動物的な本能とは別に人間のみが持ち得る性への執念というものに、底知れぬエネルギーを感じずにはいられないからである。
活字の中の性はどんなに淫猥な表現を用いたところで、所詮は神の視点に操られた絵空事である。熱に欠けると言ってもいい。そこを如何にして読み手に情事の熱を伝えるか。表現者の腕が試される最たる場面の一つではないだろうか。

事象をただ平淡に書くだけではいかんわけである。思わず我が事であるかのような興奮を覚える描写を求められ、その実現のために様々な用語や比喩が生まれ、駆使されている。もはや文学の域であると思う。

一生のうち一度くらい、美しくエロスに満ち溢れた官能小説を書いてみたいなんて思うが、人生経験の浅い小娘には途方もない夢のようにも思える。

……やっぱり後学のために買うべきだろうか、「官能小説「絶頂」表現用語用例辞典」。
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